北海道の歴史・開拓の人と物語

北海道開拓倶楽部

 

よみがえる世紀の祭典「北海道百年 」


1968年 北海道百年 

北海道大博覧会 

 昭和43年の「北海道百年」でも開道五十年に続いて大博覧会が開催されました。北海道新聞社、北海道商工会議所連合会を中心に民間主体で行われたことが特徴です。開催費用は総額6億円。うち道が7000万円、札幌市が3000万円を補助したほかは、民間資金によって賄われました。
これは50年前の
開道50年記念博覧会の精神を引き継いだものです。開道70年にも大博覧会が行われています。新天地である北海道は節目毎に博覧会を開いて開拓・発展の到達点と今後の展望を博覧会を通して内外に示してきました。

 

 

入場ゲート(出典①)

 
 

会場平面図

総面積約10万㎡の敷地に「輝く北海道館」のほか15のテーマ館が設置されました。場所はもともと戦後日本を占領した連合軍のゴルフ場を道が移管され所有していた「真駒内ゴルフ場跡地」です。
 

会場平面図(出典②)

 

会場全景(出典③)

 

立体歩道

会期は昭和43年6月14日から8月18日前の66日間。会期中には道内外から163万人もの来場者を集めました。
 

会場への特設歩道橋 背景に藻岩山が見える(出典④)

 
 

中央広場 

入場ゲートでチケットを切ってもらえばすぐにイベント広場が広がりました。広場を囲むように216市町村の旗が翻ります。北海道百年にあわせて市町村旗を新たに制定したまちも多かったのです。
 

中央広場に翻った216市町村の畑(出典⑤)

 

広間では毎日のようにイベントが行われた(出典⑥)

 

輝く北海道館

風雪100年輝く未来──北海道百年のテーマを表現したメインパビリオン。唯一の二階建で、階下にはぐるりとアイヌ民族から入植、屯田兵と北海道開拓の歴史がぐるっとジオラマで展示されていました。青函トンネルを模したスロープを上がる北海道の5万分1の立体模型が展開されます。
 
特に北海道の歴史が先住民であるアイヌ文化の紹介から始まっていることにご注目ください。北海道百年事業の非難として「アイヌの歴史を無視している」という声があるのですが、まったく事実でないことがわかります。
 

アイヌの暮らしと文化(出典⑦)

 
 

琴似屯田の兵屋(出典⑧)

 

直径14メートルの北海道第パノラマ。20年後の北海道を表しています。(出典⑨)

  
 

 
 

伸びゆく工業館

時代は高度経済成長の真っ只中。北海道も工業化を目指していました。国内トップ企業が持てる技術を誇示する展示を展開しました。
 

工業の発展が導く明るい未来を象徴したシンボル展示「未来」

 
 

アサノセメントグループによる未来都市の建設(出典⑩)

 
 

まだまだ石炭産業も盛ん。実物大の坑道模型(出典⑪)

 
 

エアーの力を利用した最先端の輸送システム(出典⑫)

 
 

モーターショー

北海道で初めての本格モーターショーとして8メーカーによる52台の新型自動車が展示されました。
 

参加メーカーは、トヨタ、日産、いすゞ、スバル、三菱、マツダ、スズキ、福田商事’(出典⑬)

 
 

写真は三菱コルト1500(出典⑭)

 

豊かな農林水産業館

北海道の百年を支えてきた農林水産業の20年後を展望するパビリオン。当時の農業の未来像が強く打ち出されています。
 

ジオラマで表現された「農村の未来」。種蒔きから刈り入れまでフルオートメーション(出典⑮)

 

同じく「未来の漁村」。海底を水中列車が走っています(出典⑯)

 

もう少し現実的な「機械化農業」のジオラマ(出典⑰)

 
 

オリンピック館

すでに1972年の札幌オリンピックが決定していました。オリンピックムードを盛り上げるため、力の入った展示が行われました。そもそも札幌オリンピックは1968年大会を目指していましたが、当初はこの年の北海道百年にあわせて招致が行われたのでしょう。実現すれば大変なことになっていたでしょう。

 

主会場を示した立体ジオラマ(出典⑱)

 
 

聖火台とサマージャンプ。オリンピック館の横に設置されました(出典⑲)

 

 


【写真出典】
①②③④⑤⑥⑦⑧⑨⑩⑪⑫⑬⑭⑮⑯⑰⑱⑲⑳ 北海道大博覧会事務局『北海道百年記念 道博』1968・北海道新聞社
 

 
 

 
 

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