北海道の歴史・開拓の人と物語

北海道開拓倶楽部

 
 

北海道150年事業
それは北海道開拓の葬式だった

 


2018年 北海道150年 

 

「開拓」の2文字を誰も口にしなかった

 
 

記念式典編① 式辞〜青少年の誓い

 
「北海道150年記念式典」は2018年8月5日に北海道立総合体育センター「北海きたえーる」のメインアリーナで行われました。
 
招待者は道内選出国会議員、北海道議会議員、道内市町村長、同議長、事業実行委員会、企業・団体、姉妹友好提携地域等の代表者など。そのほか一般参加者は公式ホームページとチラシにより募集した人々です。
 
式辞~祝辞~未来への宣言~青少年の誓い──という次第は50年前とまったく同じです。異なるのは、祝辞が内閣総理大臣から沖縄北方担当大臣に格下げになったこと、そして知事から青少年代表の高校生まで誰一人として一言も「開拓」の2文字を口にしなかったことです。
 


式辞

北海道150年事業実行委員会会長
北海道知事 高橋 はるみ
 
今年、平成30年、北海道は、その命名から150年という大きな節目を迎えています。 本日、ここに、天皇皇后両陛下のご臨席を仰ぎ、多くの皆様のご参加のもと、北海道150年記念式典を挙行できますことは、誠に喜びに堪えません。
 
私たちの愛する北海道は、独自の歴史と文化を育んでこられたアイヌの方々、さらには、明治期以降、全国各地から移住され、幾多の困難にも耐え抜いてこられた方々のご努力により形づくられてきました。
 
そして、北海道は今、個性豊かで魅力にあふれる北の大地として発展し、四季折々の美しい自然景観や安全・安心と高い評価をいただいている食など、様々な分野で国内外の関心を集めています。
 
私たちは、この礎を築かれた先人の偉業に、深甚なる敬意と感謝の意を表するとともに、長い歳月をかけて磨き上げられた多様な魅力と価値を誇るかけがえのないふるさと北海道を、50年、100年先の世代に引き継いでいかなければなりません。
 
北海道命名150年を未来への新たなスタートとして、アイヌの方々の自然に対する畏敬の念や共生の想いを大切にしながら、誰もがお互いを尊重し支え合う活力に満ちた多様性のある社会の実現に向けて、確かな歩みを進めていくことをここに決意し、式辞といたします。
 
→北海道百年の式辞はこちら


祝  辞

内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策) 
福井 照 
 
本日ここに、天皇皇后両陛下のご臨席を仰ぎ、北海道150年記念式典が挙行されますことを、心よりお祝い申し上げますとともに、このような記念すべき式典にお招きをいただきまして、感謝を申し上げたいと存じます。また本日、この喜びの節目を迎えるにあたり、ご尽力された実行委員会の皆様をはじめとする関係者の皆様に、深く敬意を表します。
 
150年を迎えた北海道の名付け親として知られる松浦武四郎は、北海道が蝦夷地と呼ばれていた頃、アイヌ文化に触れ、アイヌの人々と交流を深めながら、各地を調査し、その歩みは樺太や国後島、択捉島にまで及びました。その国後島、択捉島を含む北方四島の領土問題の歴史も、この北海道の歴史において重要な一部分を占めております。
 
北方領土問題は、戦後70年以上が経過した現在も解決していない日ロ関係最大の懸案事項であります。我が国としては、北方四島の帰属の問題を解決して、平和条約を締結するという一貫した基本方針のもと、粘り強く領土交渉を推進しております。私は北方対策担当大臣として、元島民の方々の切なる望郷の思いを受け止め、寄り添いながら、また、これからの未来を切り拓いていく若い世代の関心と正しい理解を促進すべく、引き続き返還に向けた環境整備に積極的に取り組んでまいります。
 
この後、アイヌの音楽や舞踊、地域の伝承芸能の披露をはじめ、様々なプログラムが用意されていると聞いております。150年という大きな節目を機に行われる事業を通して、積み重ねてこられた歴史や先人の偉業を振り返るとともに、この北海道、そして道民の皆様に、未来を展望しながら、新たな一歩を踏み出され、更なるご発展を遂げられることを祈念して、お祝いの言葉とさせていただきます。
 


[未来への宣言]

北海道議会議長 大谷 亨
 
今日の北海道は、アイヌの人たちをはじめとする先人達が、様々な困難に直面するたびに、勇気と希望をもって立ち上がり、これを克服して築かれたものです。
私達は、これからも、その思いを若者達に伝え、この尊いふるさと北海道の未来を、次の世代に託してまいります。
 
 


[青少年の誓い]

北海道帯広農業高等学校2年 江頭 ひかる
北海道札幌西高等学校2年 飯田 一生
〈旗手〉 札幌山の手高等学校1年 木津谷 勇輝
 
(江頭さん、飯田さん)
私たちの北海道は、雄大な自然に囲まれ、アイヌの人々をはじめとする先人が、独自の文化と社会を築き、これまで、多くの方々の努力によって発展してきました。 私たち若い世代は、これからの時代の主役として、先人達の偉業を受け継ぎ、北海道の輝く未来を創造していく必要があります。
 
(江頭さん)
私の夢は、両親が新規就農で作り上げた農場を継ぐことです。 
地球規模の環境の変化が身近な問題となる中、自然と共生することで持続可能な農業を目指し、農業者として北海道の食の未来を支えていきます。
 
(飯田さん)
私の夢は、医師になることです。
癌で苦しむ方々を1人でも多く救いたいと考えています。
特に医師不足の深刻な地域で働き、住み慣れた土地で安心して医療を受けられるよう、北海道の地域医療に貢献していく決意です。
 
(江頭さん、飯田さん)
北海道命名150年の節目に当たり、私たちは、それぞれの夢に向かって努力し、世界に視野を広げ、国内外の多くの仲間たちとともに、未来を切り拓き、ふるさと北海道の発展に貢献していくことを誓います。
 
 

 
 
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【引用出典】
北海道150 年事業実行委員会『北海道150 年事業記録誌』2019・18〜20p
【写真出典】
北海道150 年事業実行委員会『北海道150 年事業記録誌』2019・(上)15p(下)20p
 

 
 

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